株式会社ノイズ研究所

規格情報 ISO 11452-5 Ed.2 2002(ストリップラインイミュニティ試験)の概要

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【 ISO 11452-5 Ed.2 2002の試験概要 】 ※ストリップラインは50Ωおよび90Ωの規定がありますが、90Ωストリップラインは省略しています。

1.一般的事項

この規格は、供試装置がワイヤハーネスからの強い電磁界に曝された際の耐性を評価する試験です。

この試験はストリップライン高の三分の一以下(50mm)の最大直径をもつ機器ハーネスだけに限定されます。

本試験では、ストリップラインより周囲に電磁界が輻射されるため、電波暗室またはシールドルーム内にて試験を実施する必要があります。また、ストリップラインの仕様により有効周波数範囲は0.01MHz~400MHzとなります。

2.試験レベル

〔推奨される試験の厳しさレベル〕

レベル電界 (V/m)
50
100
150
200
当事者間による

〔周波数帯域〕

周波数帯域周波数範囲 (MHz)
F10.01~10
F210~30
F330~80
F480~200
F5200~400
ISO 11452-5 Ed.2 2002(ストリップラインイミュニティ試験)の概要 製品イメージ画像

a)CW信号                         b)AM信号

○ 変調

a) 無変調正弦波(CW)

b) 80%(変調指数m=0.8)で1kHzの正弦波による振幅変調(AM)

次の変調を行うことが望ましい。

変調方式周波数範囲
CW0.01MHz~200MHz
AM0.01MHz~200MHz

3.試験装置

○ ストリップライン

ISO 11452-5 Ed.2 2002(ストリップラインイミュニティ試験)の概要 製品イメージ画像

○ 試験装置

ISO 11452-5 Ed.2 2002(ストリップラインイミュニティ試験)の概要 製品イメージ画像

4.試験の配置

 ・供試装置とストリップラインの端部が平行になるように置きます。

 ・ストリップライン端部と供試装置の距離は200 +20/-0mmとします。

 ・周辺装置とストリップライン端部との距離は200mm以上とします。

 ・TEMセルの遮断周波数の1.5倍を超える周波数で最低60dBの減衰を持つ広域遮断フィルタを取り付ける

  (例えば200MHz対応のTEMセルの場合は、300MHzを超える周波数特性を持つ最低60dBの低域フィルタを取り付ける)

 ・試験装置の配線ハーネスを、ストリップラインの中心にある非導電性の取付具の主軸に対して平行に置き、グランド面から50mmのところで固定する。

 ・ストリップライン導体下のハーネスの縦断面の長さは少なくとも1000mmとする。

 ・供試装置または周辺装置へのハーネス分岐は、ストリップライン軸と直交し、グランド面に対して平行になるように置く。

 ・ハーネス内のすべてのワイヤは、車両の用途にあわせて終端するか開放にする。

 ・可能なら実際の負荷およびアクチュエーターを使用する。

 ・供試装置および周辺装置は車両内での電気的な取付と同じようにグラウンドプレーンに接続する。

  (車両に直接接続する機器は低インピーダンスでグラウンドプレーンに接続。直接接続する意図が無い機器は絶縁支持体の上に置く)

 ・絶縁支持体は、配線ハーネスが取り付けられている絶縁支持体と同じ高さにする。

 ・供試装置への電力は5μH/50Ωの疑似回路網(AN)を介して供給する。

 ・供試装置を遠く離して接地する場合(戻り線が200mm以上)は、電力戻り線用の疑似回路網も使用する(計2台)

 ・電源および周辺装置は、シールドルームの外側に配置します。シールドルーム内で使用する場合はシールドおよびフィルタをして配置します。(受動専用の装置(抵抗器、コンデンサ、コイル、フェライト、機械式のスイッチなど)、および放射電磁界に耐性のある装置は、シールドルーム内でシールドをしなくても使用できます。)

〔配線ハーネスだけの暴露〕

 ・試験装置の配線ハーネスを、ストリップラインのアクティブ導体下に対して平行に1m以上ひき、グランド面から50mmの

  ところで固定する。

 ・供試装置はストリップライン端部より外側に200 +20/-0mmの距離に置きます。

〔試験装置だけの暴露〕

 ・試験装置を、ストリップラインのアクティブ導体下に置きます。ただし、試験装置の高さはストリップラインのアクティブ導体

  下の高さの三分の一以下。

  ・配線ハーネスへの誘導を最小限にするため、ストリップライン主軸に対して90°の角度で出るようにします。

〔試験装置および配線ハーネスへの暴露〕

 ・試験装置の配線ハーネスおよび試験装置、ストリップラインのアクティブ導体下に置きます。ただし、試験装置の高さはストリッ

  プラインのアクティブ導体下の高さの三分の一以下。

 ・試験装置の配線ハーネスを、ストリップラインのアクティブ導体下に対して平行に1m以上ひきます。

試験の手順

試験は正味または出力電力を測定し、下記の式を使って電界を計算して試験を実施します。(実測法)

ISO 11452-5 Ed.2 2002(ストリップラインイミュニティ試験)の概要 製品イメージ画像

|E| : 電界の値[ V/m (ボルト/メートル)]

Z : TEMセルの特性インピーダンス(通常50Ω)

P : 正味の入力電力(P=Pforward-Preflected)(ワット)

h : ストリップラインの活性導体とグラウンドプレーン間の高さ(メートル)

または、ストリップライン内に電界強度計を設置して電界を測定し、その電力値を元にした置換法の試験にて行います。

・試験中は電磁波に暴露しないよう、シールドルームまたは電波暗室のドアは閉じ、人体に暴露されないようにします。

・試験品は少なくとも待機状態およびすべてのアクチュエーターを励起できる状態にします。

試験の報告書

報告書は、試験の計画で要求のある試験の設備、補助機器、試験の範囲、DUT、周波数、電力レベルなど試験に関連する

事項を記載してください。

※計画外の事項があれば併せて記載します。

注意:この試験の概要につきましては、ISO11452-5 Ed.2 2002を抜粋したものです。詳細な測定方法などにつきましては、規格書の原文をご確認ください。

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