株式会社ノイズ研究所

製品情報 ファスト・トランジェント/バースト試験器 始業前点検の方法

NoiseKen

始業前点検について

実際に試験を行う前に出力状況をチェックいただくことで、試験のミスを防ぎ円滑な信頼性評価を行っていただけることと思います。ここでは、国際規格IEC61000-4-4規格の内容を中心に、始業前の波形のチェック方法を記載します。

準備するもの

製 品 名MODEL名備 考
EFT_B試験器FNS-AX4
オシロスコープ帯域 500MHz以上
波形観測用ATT00-00017A50Ω校正用 40dB
波形観測用ATT00-00018A1kΩ校正用 60dB
20dB ATT高電圧測定時
同軸ケーブルATT-試験器間(00-00017A/18Aに添付)
CDN OUT冶具02-00151AEUT LINE OUTPUT校正時

注意:使用するオシロスコープの帯域によっても測定値(波高値・時間)が異なります。

接続の方法

試験器と測定器との接続は、下記のようになります。

■ 50Ω負荷での波形確認(波形観測用アッテネータ 00-00017A を使用した場合)

① 波形観測用アッテネータ00-00017Aに添付している同軸ケーブル(HN(P)-NMHV(P))で、本試験器のPULSE OUTと00-00017Aの入力コネクタを接続します。00-00017Aの出力コネクタと添付している同軸ケーブル(N(P)-BNCP))をオシロスコープの入力に接続しますが、必要に応じてこの間にアッテネータを挿入して下さい。

② 00-00017Aの出力インピーダンスは50Ωなので、オシロスコープの入力は50Ω終端に設定します。

③ 本試験器をSTART します。

《参考》必要に応じてアッテネータを挿入する理由
 試験器のインピーダンスは50Ωです。00-00017Aの負荷抵抗も50Ωとなっているため、設定電圧を4,000Vに設定した場合は4000×(50Ω/50Ω+50Ω)=2000Vの出力が確認でき、00-00017Aにより減衰された電圧20Vがオシロへ入力されます。オシロスコープによっては、50Ω終端で測定する場合に20V入力ができないものが多いため20dBアッテネータを挿入し、さらに減衰する必要があります。(この場合は、減衰比10:1により20V→2V入力となります。)

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波形観測用アッテネータ MODEL:00-00017A
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出力波形全体
1000V/div 40ns/div
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立上がり波形
1000V/div 2ns/div

■ 1kΩ負荷での波形確認(波形観測用アッテネータ 00-00018A を使用した場合)

① 波形観測用アッテネータ00-00018Aの入力側コネクタを本試験器のPULSE OUT コネクタに直接接続します。 00-00018Aの出力側は、添付されている同軸ケーブル(N(P)-BNCP))でオシロスコープに接続しますが、必要に応じてこの間にアッテネータを挿入して下さい。

② 00-00018Aの出力インピーダンスは50Ωなので、オシロスコープの入力は50Ω終端に設定します。

③ 本試験器をSTART します。

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出力波形全体
200V/div 40ns/div
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立上がり波形
200V/div 1ns/div
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波形観測用アッテネータ MODEL:00-00018A

■ EUT LINE OUTPUTでの波形確認(波形観測用アッテネータ 00-00017Aを使用した場合)

① ライン出力端子と基準接地ソケットに波形確認コネクタを取り付けます。

② 全相印加設定でそれぞれの出力ラインの波形を確認します。

③ マルチコンタクトソケットとそのソケット間にある基準接地ソケットに波形確認コネクタ02-00151Aを真っ直ぐに差し込みます。

④ 波形観測用アッテネータ00-00017A に添付している同軸ケーブル(HN(P)-NMHV(P))で、波形確認コネクタ02-00151Aと00-00017A の入力コネクタを接続します。00-00017A の出力コネクタをオシロスコープの入力に接続しますが、必要に応じてこの間にアッテネータを挿入して下さい。

⑤ 00-00017Aの出力インピーダンスは50Ωなので、オシロスコープの入力は50Ω終端に設定します。

⑥ 本試験器をSTART します。

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波形確認コネクタ(02-00151A)を接続した状態
※ L2相に接続した状態
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出力波形全体
200V/div 40ns/div
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立上がり波形
200V/div 1ns/div

出力波形規定

■ 50Ω負荷でのパルス波形の詳細

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■ 1kΩ負荷でのパルス波形の詳細

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■ 50Ω負荷でのパルス波形の詳細とファスト・トランジェント・バーストの全般的な波形

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容量性クランプ(カップリングクランプ)の校正方法

容量性クランプ(カップリングクランプ)の校正について

 カップリングクランプの校正には、前述のEFT/B試験器の他に振動子板を用いて校正を行います。
ここでは、国際規格IEC61000-4-4規格の内容を中心に、カップリングクランプの校正方法を記載します。

準備するもの

製 品 名MODEL名備 考
EFT_B試験器FNS-AX4
オシロスコープ帯域 500MHz以上
波形観測用ATT00-00017A50Ω校正用 40dB
20dB ATT高電圧測定時
同軸ケーブル(NMHV(P)-NMHV(P))試験器-クランプ間(カップリングクランプ 15-00012Aに添付)
同軸ケーブル(N(P)-BNCP))クランプ-オシロスコープ間(波形観測用ATT 00-00017Aに添付)
同軸ケーブル(HN(P)-NMHV(P))クランプ-ATT間(波形観測用ATT 00-00017Aに添付)
容量性結合クランプ(カップリングクランプ)15-00012A
トランスデューサプレート(クランプ校正治具)15-00010AEUT LINE OUTPUT校正時

注意:使用するオシロスコープの帯域によっても測定値(波高値・時間)が異なります。

接続の方法

 試験器と測定器との接続は、下記のようになります。

① 容量性結合クランプ(カップリングクランプ:15-00012A)をグランドプレーンに設置します。

② トランスデューサプレート(クランプ校正治具:15-00010A)をカップリングクランプに挟み込みます。

③ カップリングクランプに添付している同軸ケーブル(NMHV(P)-NMHV(P))で、本試験器のPULSE OUTとカップリングクランプを接続します。(トランスデューサプレートの同軸コネクタが無い側に接続します。)

④ 波形観測用アッテネータ00-00017Aに添付している同軸ケーブル(HN(P)-NMHV(P))で、カップリングクランプと00-00017Aの入力コネクタを接続します。

⑤ 00-00017Aの出力コネクタと添付している同軸ケーブル(N(P)-BNCP))をオシロスコープの入力に接続しますが、必要に応じてこの間にアッテネータを挿入して下さい。

⑥ 00-00017Aの出力インピーダンスは50Ωなので、オシロスコープの入力は50Ω終端に設定します。

⑦ 出力電圧を2kVに設定し、本試験器をSTART します。

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カップリングクランプ MODEL:15-00018A
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クランプ校正冶具 MODEL:15-00010A

《補足》
IEC 61000-4-4 Ed.3 で規定をしているカップリングクランプの校正方法(Figure 8)では、トランスデューサプレート出力の直近に50Ω終端器が接続される形になっています。
弊社の校正基準方法では、便宜上トランスデューサプレート出力から、同軸ケーブルで1m延長した先に50Ω終端器を接続します。
同軸ケーブルでの延長は50Ωのインピーダンス整合が取れているため、出力直近で終端する方法と同等であり、波形検証として問題ないことを確認しています。

出力波形規定

波形特性は次の要求事項を満たさなければなりません。

項目仕様
立上り時間5±1.5ns
パルス幅50±15ns
ピーク電圧1000±200V

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