「ノイズ」と
ノイズ研究所の歩み
1975年3月、東京都三鷹市の民家を本拠地として
「株式会社足立ノイズ研究所」が創業、翌1976年に
「株式会社ノイズ研究所」と社名変更した。
アメリカではデジタル技術が急速に発展、日本でも国産の
音楽機器やパソコンが普及し始めた頃だ。創業から半世紀。
ノイズ研究所は、工業製品のデジタル化による「ノイズ」の
解決法を模索し続ける。

地球や自然界に存在する
「ノイズ」電子機器に影響する電磁的なノイズを大別すると、自然ノイズと人工ノイズに分類される。
自然ノイズは自然界の現象により発生するもので、天体から飛来する宇宙ノイズ、太陽のフレアなどにより放出される太陽系ノイズ、雷などの大気圏現象による大気ノイズの3つに分類される。
人工ノイズは、デジタル技術や電子機器の発達に伴い発生してきたが、自然ノイズは、我々の身近なところに、常に存在する。1950年以前
ラジオは、無線通信で音声を送受信する技術。アメリカで1920年に、日本では1923年、ラジオ放送が開始された。
この頃、「ラジオを聞いている時に蛍光灯をつけるとラジオから雑音が聞こえ、放送が聞き取れない」といった受信障害が発生した。この受信障害が、世界各国の電磁ノイズ対策の始まりといわれている。
世界的には1934年にIEC(世界電気標準会議)の下位組織CISPR(国際無線障害特別委員会)が設立され、AMラジオの受信障害防止を目的とした規制が始まった。- 1923
- ラジオ放送開始
1950年-
1957年、IEEE(米国電気電子学会)にEMC Societyが設立され、国際会議が開催された。
日本では、極地観測が始まった。初期には、極地の電磁波により準備した機器が誤作動を頻発し、悩まされたという。- 1956
- 第一次南極観測隊派遣
1960年-
1964年の東京五輪は日本を経済大国に導く大きなターニングポイントとなった。
電力需要に対応する電源開発に始まり、三種の神器と呼ばれる電化製品が喧伝され、欧米の豊かな暮らしに手が届くようになった。そのひとつ白黒テレビは近隣に1台ほど普及して日本の娯楽を変え、洗濯機や冷蔵庫は家事労働の負担を軽減した。
1960年代半ばになると、カラーテレビ(Color television)、クーラー(Cooler)、自動車(Car)の3種類が新三種の神器あるいは3Cと呼ばれて普及した。
特にカラーテレビは五輪を境に売れ出した。一般家庭に電化製品が普及した時期である。- 1964
- ・東海道新幹線開通
・東京五輪開催
1970年-
1971年のニクソンショックによる金とドルの交換停止、これに続く変動相場制導入は、世界の輸出入産業の枠組みを変えた。
1973年、立ち直りかけた日本の景気を第一次石油危機が襲うと、そのまま急速なインフレに陥った。
エネルギー不足と節約志向は省エネ型の電化製品の需要を生み、エアコンやコンピュータなど電化製品が多様化、大型化した。
コンピュータの貿易自由化により、日本の技術で小型化を実現した電卓は輸出の花形となった。
一方で、当時ACタップから電源をとっていた電卓に、ノイズによる誤作動という課題があった。
また、車載用トランシーバや車載電子機器といった車関係、新幹線など鉄道関係で発生するモーダルノイズも課題となった時期である。- 1970
- 大阪万博開催
- 1971
- ・コンピュータ貿易自由化
・米ドルと金の交換を停止(ニクソンショック)
・マクドナルド1号店、銀座に開店
・米IBM社がフロッピーディスクを開発 - 1972
- カシオ計算機が電卓カシオミニ発売
- 1973
- ・円為替、変動相場制に移行
・第1次オイルショック - 1974
- ・米インテル社がi8080開発
・コンビニ1号店、東京豊洲に開店 - 1975
- 山陽新幹線開通
- 1975
株式会社足立ノイズ研究所
設立(東京都三鷹市)
- 1976
- 株式会社ノイズ研究所に
社名変更
-
- 1977
- ・米アップル社、AppleⅡ発売
・米ザイログ社Z80発売
・米デジタルリサーチ社CP/M発売 - 1978
- ・成田空港開港
・米インテル社i8086発売 - 1979
- ・NEC PC8001発売
・第二次オイルショック(1979~)
1980年-
70年代末から始まった第二次オイルショックは、第一次オイルショック時に対応し始めたエネルギー源転換を加速。原子力や風力、太陽光など新エネルギー利用、モーダルシフトに拍車がかかり、エネルギー効率化が進んだ。
1979年、家庭用電化製品を含む分野で省エネ努力を義務付ける省エネ法(当時)が制定されると、各産業で技術革新が進展した。
このような技術革新は、一方で、大型テレビや冷蔵庫、オーディオコンポなどの大型家電や、液晶テレビ、家庭用ゲーム機、温水洗浄便座、ソーラー電卓など多機能家電を普及させることになった。
日本の半導体メーカーが発展した時期でもある。
しかし、新たな技術は新たなノイズの課題も生んだ。- 1980
- 自動車の生産台数が世界1位に
- 1981
- ・神戸ポートピア開幕
・米IBM PC5150発売 - 1982
- NEC PC9801発売
- 1983
- ・東京ディズニーランド開園
・任天堂ファミリーコンピュータ発売
- 1984
- 米アップル社Macintosh発売
- 1984
本社を川崎市多摩区に移転
- 1985
- ・ドル高是正のプラザ合意成立
・米マイクロソフト社ウィンドウズ出荷 - 1986
- 音楽CD販売枚数がレコードを超える
- 1987
- 国鉄、JRに分割民営化
- 1988
第一回EMC・ノイズ対策技術展 *写真は1989EMC・ノイズ対策技術展
- 1988
- ・青函トンネル開通
・東京ドーム完成
・瀬戸大橋開通 - 1989
- ・平成と改元
・消費税スタート
・独ベルリンの壁撤去始まる
・東証平均株価 38,915円
1990年-
1990年代に入ると、デジタル通信機器が急速に普及した。
プラズマテレビやコードレスフォン、ハイブリッド車が登場。移動通信は第一世代から第二世代へ移行し、電子メールやweb対応など機能が付加された。
ハイテクの電化製品や電子機器の輸出機会が増え、海外の規格に適合させる必要性が高まった。
また、バブルの崩壊により経済成長は停滞。ライフスタイルに電化製品が不可欠となり、電力消費量は増え続けたが、阪神・淡路大震災を契機にライフラインやエネルギー供給源整備が全国的な課題となった。
同時に、環境問題が深刻化し、限りある資源の有効利用が世界的な課題となった。- 1990
本社を川崎市麻生区に移転
-
- 1990
- ・東証株価2万円を割る
・東西ドイツ統一 - 1991
- ソビエト連邦崩壊
- 1992
- ・ノイズ・イミュニティ試験の受託と対策相談業務開始
・電磁波可視化装置特許ライセンス契約(栃木県) - 1992
- 東海道新幹線のぞみ登場
- 1993
- EU(欧州連合)発足
- 1994
- ・ニューヨーク為替市場1ドル=100円突破
・関西国際空港開港
- 1995